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14年08月15日

「一期一会」カウンセリングの出会い

「一期一会」
心理カウンセリングの最初

 初めての来談者に、価値判断や批判をしないで話を聞くということは、その方をありのままに受け止めることだと考えています。それをしないと、その人の判断を間違うことになりかねません。うつ病と診断されて、来談された方にも、うつ病以外の一切の事柄すべてが人さまざまです。これは、精神科病院に勤めていた時から心がけてきました。カルテに病名が記されている情報は読みますが、すべてを無にして、カウンセリングを始めます。
 例えば、統合失調症と診断されている場合に、病名に基づいてカウンセリングを進めると、病名という思い込みによって客観的な判断を見失うことになりかねないのです。
 実際にこんな臨床体験があります。統合失調症と診断されて相談に来られた方がありました。確かに統合失調症と言われる幻聴などの一級症状はありましたが、話を聞いていくうちにそうではないだろうという判断に従って、心理カウンセリングを進めました。当初、その方の主治医から、強固な批判がありましたが、本人とご家族の希望で、心理療法を実施することになりました。回を重ねていくうちに、症状が消えて、今では社会人として仕事をして、生き生きと生活しているケースもあります。
 相談者が相談に来られるという出来事は、それまでの様々な瞬間の連続で起こります。それは偶然の連続でしょうが、出会ったその一瞬は非常に貴重です。心理カウンセリングはこの瞬間を大切にして始まるものと考えています。






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