潔癖症の深層心理
不安障害の背景 現象には意味がある 2
「潔癖症の深層心理」
例えば手洗い行為などの潔癖症で見ると、そこにはその人の成育歴からくる深層心理が働いています。
母親が本を読んでいるときに、つばを付けてページをめくっていたのを見ると、
「ああ、なんて汚いページのめくり方をするのだ」と、嫌悪感を強烈に感じるのです。それを母親に指摘することは恐ろしくてできませんから、無意識の中にしまいこんで、その批判はなかったことにしてしまいます。
そんな人が、会社に行って、そこの上司が、伝票をめくる光景を見ると、無意識の中にしまいこんだ光景が、上司を通して浮かび上がってきます。その場合、その上司はどこか母親に共通する面を持っています。つまり、母親の姿を上司に投影して、上司がつばを付けて伝票をめくっているような様子を見ると、嫌悪感に陥って、その伝票を触れなくなります。仕事上触らないわけにはいきませんから、伝票を触るたびに、手を洗わずにはいられないほどいてもたってもいられずに、そのたびに手洗い行為を続けます。
しかも、他人にこんな姿を見られたらどうしようと、懸命に隠しながらしますから、なおストレスはたまります。そのうちにこんな行為する私は変なんじゃないかと思い、それも大きなストレスになり、どうしようもなくなって、カウンセリングに訪れるのです。
ですから、手洗い行為という強迫症状は、本来解決しなければならない本体に立ち向かうことができないために、忌まわしき症状と置き換え作業をして、自分を守っているのだと考えてください。もし、その本体に立ち向かう力を持たないまま、手洗い行為を止めてしまったら、おそらく本人は身の置場もないどん底の状況に陥ってしまうでしょう。だから、手洗い行為が激しいからと言って、それを無理やり止める必要はありません。カウンセリングをしっかり受ければ、必ずなくなります。
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