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15年11月07日

パニック障害(パニックディスオーダー)の背景

パニック障害(パニックディスオーダー)の背景

    パニックディスオーダーとは、何の誘因もなしに、予期せぬ時に、突然、不安の精神身体症状を発作的に生じます。これを「恐慌発作」といい、これを反復して慢性に経過する精神障害です。
 このパニックディスオーダーが起こる誘因に関して、東大心療内科の記録に興味ある結果が残されています。パニック障害(パニックディスオーダー)の発症要因と推測されるものは以下のようでした。

・現実問題        10
・分離体験         7
・対人関係         2
・自我同一性の問題   2
・身体的要因        0
・その他           3
・不明             4

   これを見ると、まず、現実的な問題が発症要因として多いということが分かります。現実問題とは、仕事や恋愛や受験などである。それに対人関係という現実的な問題を加えれば、圧倒的に現実的な問題や困惑が関係していることがわかります。パニックディスオーダーというのは、動悸や発汗などを起こして恐怖に至る身体の恐慌発作でありながら、身体の要因が全く関係ない結果となっているのです。つまり、身体的な問題は特に強調されていないことがわかります。
 また、出産順位で調べたものでは、長男か長女か末っ子が起こしやすく、一人っ子は意外と少ないという結果が出ています。
 対象喪失では、幼いころに父親を亡くしている事例が多いのは、自我確立の点で、客観的な価値基準を学ぶ父親の存在が関係しているのかもしれないと考えられています。





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