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19年12月02日
2、パニック障害の治療・認知療法
この項を初めて読まれる方は、前回の「1、不安障害の治療・認知療法」をお読みください。
まず一つ目は、思考の問題です。起こった状況をどのように考えるかの思考によって、その後の精神的状況は全く異なります。この思考は、イラショナルビリーフ(不合理な信念)のシステムとラショナルビリーフ(合理的な信念)があります。前者は、固定化した思考と言って、その結果精神的な混乱を引き起こします。後者は、柔軟な思考と言って、その結果苦痛はあったとしても何とかやっていけます。病的な精神的困惑を起こす場合は、イラショナルビリーフのシステムが自動的に入っています。この思考を改善しうる心理療法が、認知療法です。
認知療法(以降、ベックが開発した方法を指す)は、60年ほど前に、ベックが創設したうつ病を治療する心理療法として発展しましたが、この思考の改善は、うつ病だけでなく、不安障害や恐怖症やパーソナリティ障害など、広範囲な精神疾患の心理療法として適用されるようになりました。