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19年12月03日
3、醜形恐怖症の治療・認知療法
この項を初めて読まれる方は、これまでの「1、不安障害の治療・認知療法」からお読みください。
ベックが創始した認知療法とアルバートエリスらが創始した認知療法・論理療法(以降論理療法)は、不適切な思考を改善することによって、症状の改善や予防に役立つものとして発展してきました。しかし、1980年代に始まった論理療法とこれまでの認知療法とは、改善する思考の枠が異なります。認知行動療法は、思考を可能な限り、現実的、合理的、積極的な思考に改善することを目指したものですが、論理療法は、イラショナルビリーフ(固定化した思考)に枠を絞って改善していこうとするところが大きく異なります。従来の認知療法は、これまで備えていたその人の思考傾向を、ある意味で全面的に改善するような取り組みとなりやすく、そのレベルに至るまではずいぶん時間がかかるという課題が発生しやすいものでした。これに対して、論理療法は、イラショナルビリーフ(固定化した思考)に絞って思考改善を目指すために、案外無理のない認知の改善が可能となります。