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19年12月27日
2、恐怖症・強迫神経症の治療・最新の認知療法
不適切でネガティブな感情
ABCの枠組みの中で、Cは、Aに関するB(ビリーフ)がもたらす感情的および行動的結果(consequence)を示します。ネガティブな出来事であるAに関して、固定的なイラショナルビリーフから生じるCは惑乱したもので、不適切でネガティブな結果と呼ばれます。
また、ネガティブな出来事であるAに関して柔軟なラショナルビリーフから生じるCは、惑乱することもなく、適切でネガティブな結果と呼ばれます(Çrawford & Elis 1989)。ある種の結果には、生じる出来事にまつわる感情が関わっています。これらの感情には、2種類あると指摘されます。その一つが「不適切でネガティブな感情」です。それは、以下記載するどれかかそれ以上の理由から不適切とされます。
1、過剰な精神的苦痛や不快感につながる。
2、自滅的行動に追いやる。
3、自分の目標達成に必要な行動の遂行を妨げる。
逆に、「適切でネガティブな感情」は、以下記載するどれかかそれ以上の理由により適切なものと言えます。
1、自分の目標に障害が生じていることに気づいているが、凍結した状態には陥らない。
2、自己啓発的行動へ向かうように動機づける。
3、自分の目標達成に必要な行動を首尾よく遂行するように勇気づける。
この項を初めて読まれる方は、前回の「1、不安障害の治療・認知療法」から21までを順にお読みください。窃盗症やギャンブル依存症などの衝動抑制症群、解離性障害、うつ病、パニック障害や不安障害等心の問題は、認知障害によるところが大きく、どの症状の方も関係した内容を整理して理解できるように記載しています。