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20年01月13日
境界性パーソナリティ障害の治療
「弁証法的行動療法」
境界性パーソナリティ、自己愛性パーソナリティ障害など、様々なパーソナリティ障害は、それに見合う薬物療法が今のところありません。そのために、薬物治療を専門とする病院や診療所では、精神症状の対処的な治療薬が処方され、根本的な治療がなかなか進められない状況です。そうした事情を含めて、パーソナリティ障害の治療は、主として心理療法が担ってきました。これまでは、感情調節のために、認知行動療法が有効で、阪神カウンセリング・ラボでも、認知行動療法を使用してきました。感情調節が難しい場面を、感情の責任は自分にあるという意識のもとに、その時の思考を様々な角度で検討していく手法です。繰り返す認知の検討によって、その人の思考の問題に気付き、様々な状況の処理の仕方を身に着けていくと、感情の処理の仕方も理解できていきます。これはこれで大変有効な手法だということを実感しています。しかし、認知行動療法の限界があります。パーソナリティ障害の人は、何かの瞬間切れてしまうことがあり、激怒したその時に、これまで培ってきた、感情の背後にある思考を冷静に検討することが非常に困難になってしまうのです。