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20年01月14日
境界性人格障害の治療「弁証法的行動療法」
その瞬間冷静な場合は、認知行動療法によってこれまで積んできた思考の見直し作業が可能となります。しかし、興奮した時には極めて困難が伴います。ましてや激怒してしまった時に、冷静に考え方を検討しようなんて無理です。境界性人格障害の人は、認知行動療法で柔軟な考え方になってくるのですが、激怒してしまうと思考の検討など、それどころではなくなります。そしてこの事態にとどまらず、これまで成果を上げてきた認知行動療法に疑問を抱くようになり、その結果、これまで続けてきた認知行動療法のカウンセリングを続けられなくなってしまうことがあります。認知行動療法がある程度進展してくると、瞬間の思考改善は可能になりますが、うつ病や不安障害と異なって、境界性人格障害の人には、この瞬間を管理できる心理療法が必要だと、長年悩んできました。境界性人格障害を改善しようとしてきた臨床心理家は私と同様迷ってきたはずです。この私の悩みに光明を与えてくれたのが、「弁証法的行動療法」でした。
この出会いは、阪神カウンセリング・ラボにお電話くださった、相談者からいただいた偶然のプレゼントでした。