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20年01月25日
うつ病と脳の働き
脳神経生理学的な研究では、うつ病は、脳内の様々な機能の低下と深い関係があります。そのために仕事や対人関係が難しくなるのです。
人がストレスを受けると、脳の前頭前野、帯状回、海馬を傷つけます。その影響は気分が落ち込む、やる気がでない、集中力の低下などの精神症状を起こします。またストレスは、扁桃体に影響を与え、視床下部が刺激されると交感神経が活性化され、睡眠や頭痛、胃痛、食欲減退などの身体症状がでます。さらに視床下部の刺激は、副腎皮質ホルモンに影響を与えストレスホルモンが分泌され、ストレスを強化します。それらは再び前頭前野や帯状回や海馬を痛めつけ、症状悪化の悪循環を引き起こすのです。うつ病というのはこのように悩の病気レベルとなり、薬物でストレスホルモンの調整が必要になります。しかし、薬物で症状の改善がみられるのは、7割と言われています。残りの3割が薬物の効果が少ないのは、「苦悩の持続」が起こるからです。それは、その人の病気が治るとか仕事や学校に行けるとかという目的を果たせなくなってしまう思考・態度・行動によって、苦しめる心理的な反応が続くからです。うつ病の心理療法は、苦悩を引き起こす、「思考」「態度」「行動」を見つめ修正し改善するプロセスを受け入れることが必要となります。認知行動療法やマインドフルネススキルトレーニングが役立つのはこれ等の理由によります。