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20年01月26日
脳の心理療法 「意識上の言動は、全て意識下の脳がチェックしている」
脳の状態が映像化される器具が開発され、意識上の反応が、意識下の脳に、視覚化されて検視できる時代になってから、感情や思考の関係や脳の中の反応の詳細が分かるようになってきました。それまでも、研究によって、刺激によって脳の反応する部位などについて、おおよそわかっていました。しかし、現在は、光学機械やコンピューターの発達により、もっと複雑な状況がつかめるようになっています。20年ほど前にベストセラーになった「脳内麻薬」という本によって、私たち人間が快適に過ごすために脳がどれほど密接な関係にあるかということが広く知られるようになりました。その内容は、脳生理学者が書いたものですが、この本に関して、私がかつて勤務していた当時の病院院長は、「この本だいぶ間違いがあるよ。」と指摘していました。彼は、九州大学医学部を卒業後、アメリカ・コロンビア大学で脳生理学を研究してきた学者であり医師です。その時代は、今と違って検証が難しい時代でしたから、その出版物の内容に批判するところは、多々あったのかもしれません。しかし、現代のように、かなり詳細に意識上と意識下の関連が明瞭になってくると、心理療法も意識上だけのトレーニングでは不十分だということが分かってきます。