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20年02月05日
心理療法の基本 「治療幻想」
心理療法とは、薬物を使用しないで、心身の状態を改善し健康にする治療法です。その際に、相談者(以後クライエント)と治療者との人間関係が非常に大事です。どんなに優れた治療者であっても、最初に相談をした時から信頼関係が形成されていないと、以後の治療は難しくなります。治療者が臨床を積んでくると、そこに治療者としての自信が生まれ、「自他ともに「優れた治療者」という印象を作りがちになります。その印象は一見安心感を与えるかのように見えますが、その後の治療過程で問題となることが多いと思います。
なぜなら、クライエントが、この人が「優れた治療者」という印象を持った場合、「治療幻想」を生むことがあります。薬物処方や外科手術のように、治療者に任せて行うこととは違って、心理療法とは、クライエントが主で、自ら治そうとする過程が大切です。それを後押ししたり一緒に問題解決のために関係を維持していったりしていくことが重要となるので、「治療幻想」によって、自ら治そうとする主体性を失ってしまう可能性があり、あまり好ましいものではないと言えます。
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