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10年06月20日

130年前の日本人の心

 1877年、アメリカのモースは、その年、大森貝塚を発見して有名になりますが、彼は明治政府が、政府の中枢の人より高額な給料で日本の高等教育のために招かれた学者の一人です。
 彼は、当時の日本の素晴らしさについて、絶賛の声をあげた一人でもあります。「モースの見た日本」という形で、写真集も残されています。
 そのモースが、もうすには()、日本の国中が、清潔で美しいことを賞賛していることです。
 当時の江戸(東京)は、パリやロンドンより、はるかに大都市でした。その欧米の街よりもきれいに片付いている街並みにビックリしています。食事のときに食べられたはずの貝殻が、一体どこに消えたのかと、不思議がるほどだったといいます。
 彼は、世界を歩き回っていますから、その比較で日本を見ているのです。
 パリでも、ロンドンでも、ヨーロッパのどこでも、街中の排尿の匂いは当たり前だったそうです。中国にも行きますが、町に出ると、汚れと悪臭で耐えられなかったと、書いています。
 それらの国に比べると、日本の街は、きれいに掃き清められ、ゴミを捨てる人は誰もいなかったのです。
 さらに、生活の中に自然をうまく取り入れた日本人の習慣や芸術性に絶賛が続きます。
 例えば、庭。
 欧米では、大都市にしか見られなかった庭の手入れの巧みさを、田舎の誰もが同じような水準で、きれいにしている。障子が破れれば、紅葉や星型の当て紙を切り抜いて貼ってある。日本中どこを歩いてもそうだというのです。
 日本の国どこを歩いても、赤子の叫び声は極めて稀な物音だとも言っています。子どもはいつも親のそばにおり、または年長者に背負われて、そのことで安心感を持っているからだろうと、モースは推測しているのです。母と子、父と子は、いつも町で手をつないで歩いている。そんな様子を見て、日本は最も子どもを大切にする国だ、とも述べています。
 モースは、ある地方の学校を視察しますが、案内された教室では、お客さんを見て騒ぐわけでもなく、教官の掛け声だけで、深々と挨拶をする姿に感銘を受けます。食用の植物に関する知識は、日本の子どもは、当時米国で研究している学者と同じレベルくらい知っていると驚いています。虫に関しても、欧米ではせいぜい十数種くらいのレベルを、日本の子どもは、百を超える種類の知識があるというのです。
 こうした日本を監察して、モースは、日本人について次のようにまとめています。
 
 自然を生活の中で生かす、独特の文化をもち、知的水準も高く、清潔で礼儀正しく、先生や年寄りを尊敬している。

 およそ百三十年前の日本です。