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21年03月22日
発達障害/ADHDの診断
それまであまり知られていなかったこともあって、ADHDと診断される人はそれほど多くなかったですが、DSM-4以後、ADHDが世界中数倍多くなったと言われています。心療内科の依頼で、WAIS-Ⅳを実施していますが、成人のADHDの診断は、極めて慎重にしたいと思っています。この点に関して、アレン・フランセスは、DSM-5で発症年齢を12歳までとしていることを批判して、発症は7歳かそれ以前としています。成人して、衝動性の方は落ち着いてくるので、テストを受ける方の主訴は、不注意型の人がほとんどです。これら不注意型の場合、個人的な問題があって、素行障害の場合、知的発達障害、適応障害、他の精神障害などがあり、それらを見分ける慎重さは大切です。昔に比べると、薬物もかなり改善されてきたように思いますが、医療行為には薬物処方が伴い、アレン・フランセスはその辺の問題も指摘しています。薬物に関しては、心理療法に携わる臨床心理士の領域ではありませんが、それらも含めて、安易にADHDと診断すべきではないとは考えています。