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21年05月12日

家庭の背景としての「私事化」

家庭の背景としての「私事化」

 

   団塊の世代以前は、何のために生きているかという目標が、自分に向けられるより、社会に向けられていました。いわゆる明治以来一貫して、富国強兵、立身出世という考え方が、学校にも生活にも通用していたのです。しかし、1970年、これまでの社会の仕組みに関して反発して別の意味での社会化が挫折した後、人々の関心は、自分の幸せに向けられました。社会の為というより、目的が「個人の為」に変化しました。これを「私事化」といいます。「私事化」とは「人々の関心が私生活とその中心に位置する自己へと集中する社会意識の傾向」(森田社会学者)というのです。

   この私事化の結果、どういうことが起きるかというと、「子どもは親とは全く異なる存在として、一貫した親の姿勢から自己を確立しなければならないのに、その核が見当たらず、親子の関係を築けないまま、子どもも自己本位になっていく」(小林正幸「不登校の理解と援助」2003金剛出版)

   そうすると、他者との関係に弱く、ストレスに弱く、防御する力もなく、内面的な力ももてない「空虚な自己(存在)」となるというのです。