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21年05月28日
自分は自分の世界でしか人を見ていないことがある。
大学の授業で、熟睡している学生がいます。堂々とこれをやられると結構腹が立ちます。その場合私は、教壇で講義せず、マイクを持ちながらその学生の横まで行って話します。声が近くなりますから、たいていは起きます。起きなくても、隣の学生が肩をたたいて起こします。それでも起きない学生がいます。このとき教師はこんな風に考えがちになります。「私がこれほど十分に用意した授業なのに、寝ているとは何事だ。お前は私の授業がそんなに面白くないというのか。それとも私のことが嫌いで抵抗しているのか。お前なんか授業受ける資格がない。教室から出て行け」なんて考え、イライラしている教師がいるかもしれません。中には声を張り上げて叱る教師がいます。
実際、教授側からすると、大学での授業一時間半の講義をするために、最低原稿用紙三十枚から五十枚くらいの内容は必要となります。大学の授業は、その先生が人生をかけて研究してきたことを講義するわけですから、学生に寝られることはつらい気持ちもわかります。しかし、学生はさぼりで寝ているわけでもありません。