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21年09月08日

弁証法的行動療法

弁証法的行動療法

   苦悩に耐える最も重要なスキル「徹底的受容」を、以下のように解説しています。

 

 苦悩に耐える能力の向上は、自分の苦痛に対する態度を変えることから始まります。皆さんにとって必要になるのは、徹底的受容(radical acceptance)と呼ばれるものです(Linehan,1993a)。これは自分の生活についての新しい考え方です。次章では、徹底的受容を用いて自分の経験を検討するのに役立つ、いくつかの重要な質問を提供しています。ここでは、この概念について簡潔に説明することにしましょう。

 しばしば、人が苦痛にあるときの最初の反応とは、苦痛を引き起こした原因に対して、怒ったり、気分を害したり、あるいは誰かを非難したりすることです。しかし残念ながら、自分の苦痛を誰のせいにしようとも、その苦痛はまだそこにあり、苦しみは続くことになります。場合によっては、怒れば怒るほど、その苦痛がひどくなるように感じられることもあります(Greenwood,Thurston,Rumble,Waters,& Keefe,2003;Kerns,Rosenberg,& Jacob,1994)。