HOME >> 最新更新情報(一覧)
21年09月30日
心理療法と薬物療法
医療行為で行われる精神的な治療は、脳内の神経伝達物質等の調整を薬で行います。一方、心理療法は、薬物を使用せず、いわゆる科学的な方法で、脳内の神経伝達物質の調整を行います。科学的な心理療法の実施の結果、その人に「わかる=洞察」が起きたときに、脳内の神経伝達物質の調整が整い、良くなります。したがって、薬物療法は対処療法、心理療法は根本療法という点で異なります。薬物療法で、その後も再発せず良くなるのは、薬物による安定した状態とその人が懸命に努力している心理的な試みによって「洞察」が生まれたからだと推察しています。
うつ病の治療に、薬物療法と認知行動療法のそれぞれの治療をした結果、治癒率がどうであったかを調べる調査があります。それによると、両者とも70%の治癒率であったことが報告されています。薬物療法と心理療法、それぞれによって治癒した人のその後の状態の調査があるとよいと思っています。