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21年09月30日
「心理療法に法則化を求めるのは難しい」
河合隼雄先生が、講演会の時におっしゃっていた言葉です。これは、カウンセリングを数多く実施してくると、確かにそうだと言えるようなことがよくあります。心理療法は、科学的な理論に基づく、科学的な治療法であるにも関わらず、科学的と認知される法則というものを安易に語れないのです。
例えば、外出恐怖症の人がいて、行動療法で対処したことがあります。この時とった行動療法は、クライエントの状況を分析して、最終目標を立て、一歩ずつ目標を達成していく達成感を内面化することによって、症状を軽減していく方法で進めました。
まず玄関に出るというような100%可能なところから始めて、クライエントさんは、だんだん外に出ることが可能になります。ところが、その方は、店の前まで順調に進んだステップが、どうしても店の前からは進めませんでした。あれこれ対処しましたが、どうしても進めず、中断したケースがありました。