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13年03月07日

うつ病の対策うつ病の背景にある思考パターン

うつ病になる人の否定的・悲観的な思考パターンは、どのようにして生まれるか? 

私たちが現在持っている言動の仕方は、それまでの繰り返し体験してきた学習の結果生じています。それらは、友人・仲間、周囲の人々、先輩・上司、先生、尊敬する人、社会、学校、テレビ、マスコミ、書物、宗教など様々なところで体験し学習してきます。それらの中で一番大きな影響を与えるものが、親子関係を中心とした家庭環境でしょう。そのうち特に親子関係は、子どもにとって強い影響を与えます。それらは、繰り返し繰り返し行われますから、親子関係の深刻な場合は、その深刻な状況に耐えるために、子どもなりに様々な思考や行動をとることで対処するのです。その対処の仕方が、合理的・現実的になることはまれです。子どもは必死に、その苦痛な状態から逃れようと、自ら余儀なく、いくつかの非現実的で非合理的な言動を選択します。その時選択された言動は、苦痛を伴うものであることが多いのですが、困難な親子関係という直面した問題に直接立ち向うよりも楽であるために、繰り返し体験していきます。その結果、どこかで成功体験として、身についてしまうのです。ですから、その言動のパターンは、だれでもごく当たり前に考え行動していると思い込んでいます。子どもの頃は、それでも十分通用する言動なのですが、成長すると、それでは全く通用しないことが起こります。その状況が、困難であればあるほど、それまで体験してきた非現実的・非合理的な言動では、如何ともしがたい状態に陥ってしまうのです。  
では、そうした親子関係で生まれる非現実的で非合理的な言動とは、どのようにして現れるでしょうか?以下の章に述べていきたいと思います。


うつ病と喪失体験

うつ病には、親子関係の中で起きているいくつかの問題のうち、「喪失体験」は、大きな影響を与えます。親から愛されたい、受け止めてもらいたいという欲求が満たされないと、喪失体験を味わうことになります。喪失体験とは、親の死、離婚や夫婦げんか、病気のために愛情をもらえないなどの厳しい現実にさらされる喪失体験もありますが、親はそろっていても、居ないのと同じような状況に置かれる場合も該当します。そうなると、子どもは愛されたいために必死になって親に働きかけます。親がいなければ、愛情欲求をあきらめるしかありませんが、幼児体験でこれを味わうと、心の傷になります。親が居る場合でも、それを必死になって訴えても、拒否されたり時にはきつい仕打ちを受けたりすると、喪失体験を味わいます。そうすると、子どもは愛情を持つことをあきらめてしまいます。そればかりか、愛されているということに自信がなく、何時愛されなくいなるかという事ばかり気になって、相手を信用することもできなくなります。こういう子どもが大人になると困った問題が起こります。まず、人を信用できません。信用できないから、人と距離を置き、親密さが生まれません。それは孤独で不安です。そして、喪失体験がある度に、それまでの傷を押し広げて、憂鬱感を深めます。やがて、喪失体験があるなしにかかわらず、悲しく憂うつな日々を送るようになります。それがうつ病に直結するのです。