うつ病の対策【感情と思考の関係】
うつ病を引き起こす思考と感情の関係 感情と思考
〈エリスのABCD理論〉
論理療法の創始者、A・エリスは、感情と思考の関係について次のように述べています。
「感情は考えに対する反応で、考えは状況に対する反応である」
これを、エリスのABC理論、または、ABCD理論と呼んでいます。
A:Activating event(物事を引き起こすような出来事)
B:Bleif (信念、思い込み)
C:Consequence(結果、問題、悩み、症状など)
D:Dispute(論破、論駁)
例えば、上司に叱られて(A)落ち込んだ(C)とします。
一般的には叱られたから落ち込んだ、すなわち(A)から (C)と考えがちですが、エリスはそうではないというのです。
上司に叱られた(A)を、上司に叱られて情けない(B)と考えるから、落ち込む(C)のだと言います。
私たちは、よく自分の感情のもとは、それを引き起こした相手にあると考えがちですが、それはないというのです。感情を引き起こしているのは、あくまでも相手ではなく自分なのです。
この時、感情(C)のもとになっている思考(B)が非常に重要になってきます。この思考(B)には、合理的なものと非合理的なものがあります。非合理的の場合は特に問題や悩みが発生しやすくなります。
確かに不愉快な感情を引き起こす相手はいますが、それでもそれをどうとらえるかという思考によって、感情は全く異なってきます。相手や状況のせいにしていたのでは、感情の調整はいつまでもできないということになります。なぜなら、感情を引き起こしていると思っている相手を変えることは不可能ですから、不可能なものを原因としている限り自分を変えることは不可能となります。
エリスはこの不合理な思考に気づいて、これをとことん理性で論破・論駁しようと言います。これがD(Diospute)であり、以上をエリスのABCD理論と言っています。