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13年10月08日
うつ病の治療
(1)わかるはかわる
心理療法のメジャーな方法として有名なフロイトやユングの精神分析的心理療法も、一般的によく行われているロジャーズの来談者中心療法も、また、本書で薦めている認知行動療法も、カウンセリングの最終は、心の底から「わかった」という実感が得られることです。精神分析ではこれを洞察といいますが、そういう意味で、認知行動療法も、洞察療法と言われる範疇に入ります。そのアプローチの仕方が異なるだけです。
認知行動療法で、「わかった」というレベルに至るために、考え方を合理的・現実的にしていくトレーニングが必要となります。
認知行動療法では、その変化の過程を、スキーマのレベルでとらえようとしています。すなわち、認知行動療法で、「わかった」というのは、成長過程で出来上がった、「不合理な信念=不合理なスキーマ」が改善されて、合理的現実的な信念=合理的なスキーマに変化することです。その意味で、認知行動療法も、他のカウンセリングと一緒で、洞察という状態に至ることを重要視しています。したがって、認知行動療法とは、単なる思考の変化や改善というレベルではなく、根本的に心の病気に陥らない、健康な心構えを構築することを目標としています。