「弁証法的行動療法」 -マインドフルネススキルとは？-

　「弁証法的行動療法」の中で最も重要なスキルというものが、このマインドフルネススキルです。弁証法的行動療法では、マインドフルネススキルを、「賢明な心」と呼んでいます。ちょうど僧侶のように安定した気持ちで庶人に対応する心の状態を指します。おそらく欧米の僧侶は、弁証法的行動療法の中で示されるマインドフルネススキルと同じような方法で修業を積んでいるのだと想像しています。日本の僧侶でいえば座禅を組んで悟りを開いたような心境です。それを、心理療法という科学的な手法で学ぶように工夫されています。

　マインドフルネスとは、ある状態を批判したり価値判断したり、あるいはその状況に起きている感情に流されたりしないで、認識して受けとめる安定した心構えを指します。その心構えを通して、適切な対処をすることが可能となるのです。これは簡単なトレーニングではありませんが、弁証法的行動療法は、これを順序よくトレーニングできるように工夫されています。

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