パーソナリティ障害者のための「弁証法的行動療法」

-感情調節スキルの紹介-

　「弁証法的行動療法」は、パーソナリティ障害だけでなく、うつ病改善、パニック発作、食べ過ぎ、苦痛の状況の対処、痛みの改善などにも効果があると言われています。この「弁証法的行動療法」の中の感情調節スキルの基礎編には、以下のトレーニング内容が組み込まれています。

　「感情とは何か」「自分の感情に気づきありのままに受け入れる」「より健康的な感情に向けて進むために」「感情と行動」「健康に関する事柄と圧倒されるような感情との関係」「価値判断をせずに自分自身を観察する」「認知的により健康的に対処する」「肯定的な感情を高める」が構成されています。

　感情調節スキル上級編では、4つの感情調節スキルを学ぶようになっています。「価値判断をせずに、自分の感情にマインドフルになる」「感情の暴露」「自分の感情的衝動と反対のことをする」「問題解決」です。

　「価値判断をせずに、自分の感情にマインドフルになる」では、価値判断に気づき、それを手放すトレーニングをします。「感情の暴露」では、感情の記録や暴露の仕方をトレーニングします。「問題解決」では、行動分析、ＡＢＣ問題解決がトレーニング内容として組み込まれています。最後に「週間調整」を行います。これは、週間調整記録シートを作成して、身体的、認知的な健康的対処法（ポジティブな出来事の認識と想起、感情の観察と受容、反対の行動、問題解決を記録して健康的な感情に対処すること）を練習していきます。

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