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17年03月26日
バウムテストの関心
私がバウムテストに興味を抱いたのは、一つには私自身の経歴からです。私は、教育の世界、特に美術教育に力を注いでいる時期がありました。教育臨床から心理臨床に軸足を移した時に、共通するのは人間の表現ということでした。もう一つは、実際に樹木画を描いてもらうと、その絵の中で、いくつもの驚きが発見できたということです。それらの中で最も大きな驚きは、成育歴の中で起こった心の悲しみや傷が絵の中に表現されることがあるという体験です。特に心の傷をうけた年齢まで特定できるというビトゲンシュタインの主張に興味を持ちました。バウムテストを始めたばかりの頃に体験した驚きは、このテストに惹かれるきっかけとなりました。ビトゲンシュタインは、樹木画の中に描かれる傷口、例えば節などが、幹のどの位置に描かれるかを、長さの比較によって、受けた年齢を特定するビトゲンシュタイン指数を出しました。この指数に基づいて、ある患者さんに、絵の傷口から推定した心の傷を質問すると、ぴったり該当する証言を得られたのです。最初は半信半疑でしたが、この時の驚きは大きなものでした。これがバウムテストに興味を持ったきっかけです。
