うつ病と身体の痛み


　うつ病は、抑うつ感が強くて精神的な疲労が著しいのが特徴の心の病気です。したがって、精神的な症状が注目されがちですが、身体の痛みが伴うことも多いのです。痛みの８０パーセントはストレスからと言われるように、うつ病のときは著しくストレスにさらされている状況ですから、その時に起きている身体の痛みは、うつ病の症状の一つです。
　うつ病は思考障害ということもあって、身体の認知に問題がある人はちょっとした痛みにも反応してしまいます。肩こり、頭痛、胃腸の痛みなど、よくある痛みもそのほとんどが精神的なものと言えるでしょう。うつ病とは関係ないこともありますが、ストレスフルになっていると、身体に不調が生じて痛みにつながることがあるのでしょう。
　一見精神的なことと関係のないように思える痛みの病気も、実はストレスから来ています。腰痛、肩関節炎(五十肩）、顎関節症もそれらの部位の生物学的な異常ではなく、精神的な異状の結果起きているのです。私達は、ふつう呼吸しているとき、そのリズムに合わせて、肩などの筋肉が動いています。ストレスにさらされると、自然な筋肉の動きが正常でなくなるのでしょう。それによって血流が変化し、普段と異なる状況に、筋肉や神経が緊張するために、痛みが発生するのだと考えています。
　ですから、身体の痛みが発生したら、ストレスにさらされていると思って、ストレス対処を適切に行い、そのままにしないでうつ病の予防をしましょう。




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